時代小説を読んでいると、ちょいちょいお金の話が出てきます。
たとえば・・・。
治兵衛は仕入値を精一杯抑えたが、ちょうど印籠くらいに切ったカステラは、一個三十六文と店では破格の値となった。「まるまるの毬」P14 西條奈加
一つ三十六文のカステラが高いって言われてもピンとこない〜。😣
金木犀(の意匠の女物の財布)が二分、松ぼっくり(の意匠の男物の財布)が一分だと言うと、男は驚くことなく上機嫌で頷いたばかりか、慣れた手つきで一朱を懐紙に包み、心付けとして咲に手渡した。「飛燕の簪 神田職人えにし譚」P8 知野みさき カッコ内はブログ主が追加で補足で蛇足
二分のお財布高いの?安いの?
一朱の心付けってチップのことでしょ?お咲さんは幾らもらったのー?
ってな具合に。😅
時代小説を読む上で、当時のお金の事情を知っておくと、より物語の世界への理解が深まると思うのです。
なので、ここでざっくりと、江戸のお金について書いておこうと思います!
ところが!
よく時代劇ドラマや映画で出てくる一両小判。そもそもあれって幾らなんですかね?
手っ取り早く、はい一両は今のお金で何円です!
って言えたら話が早くてよかったんだけど。
そうは問屋が卸さない事情があるのです。
そう、いざ江戸のお金について書こうと思うと難しい〜。😣
まずはその理由について説明しますね。
江戸のお金が難しい理由
理由その1
世の中の仕組みや人々の生活が現代とは違うこと。
仮に江戸と現代で同じ商品やサービスがあったとしても、その内容や人々の必要とする度合い、原材料や物流のコストなど江戸と今で大きく事情が異なるので単純な比較が難しいです。
また、江戸時代は260年も続いた為、その時期によって同じ物でも物価の変動があって、江戸末期はかなり物価が高騰していたようです。
理由その2
江戸の貨幣の仕組みが複雑!
そもそも流通しているお金の種類が多い!
なんと、金貨・銀貨・銅貨の3種類も使う三貨制度だったんだって!😳
現代の日本の通貨が「円」という単位で統一されているのに対し、江戸時代は「一両(いちりょう)」「一分(いちぶ)」「一朱(いっしゅ)」「一文(いちもん)」、さらに銀貨に対する「一貫(いっかん)」「一匁(いちもんめ)」「一分(いちふん)」と単位がいくつもありました。
さらに、一両小判など金貨は額面のある計数貨幣なのに対し、大阪など上方で多く使われていた銀貨は重さを測って使う秤量(しょうりょう)貨幣だったことなどが関係しています。銀貨は支払うたびに秤(はかり)で重さを量っていたっぽいですねー。めんどくさ!😫
理由その3
現代の外国為替相場のように、変動相場だったこと。
毎日のように金一両は銀だと何匁だとか銭に直すと何文だとか変わっていたんでしょうね。
ああ、だから「両替商」なんて商売が隆盛を誇っていたのか。🤔
理由その4
お金の数え方が四進法だったこと。現在は十進法です。
一両=四分=十六朱=四千文
一分=四朱=一千文
一朱=二百五十文
そしてお金を支払う対象に対してどのお金を使うのかが決まっていたらしいのです。
日々の生活に使う物は値段が安いので銭で払う、とかね。


そうは言っても
現代の貨幣価値に置き換えないとピンとこない!
というわけで、我々にもなじみのある物の値段で江戸と今を比べてみましょう。
お蕎麦
バブル経済の終焉以来、日本の物価は長らく安定していましたが。
この記事を書いている2025年2月現在、物価はかなり上がってきているようです。
江戸のお金を現代と比べるのによく使われる。かけ蕎麦も同じ。
こちらのブログに駅の立ち食い蕎麦の値段が載っていたので参考にしました。
この記事によると、現在かけ蕎麦は400円!もするとのこと。
江戸(後期)は蕎麦一杯が16文だったらしいので、とすると一文は400円➗16文🟰25円。
そして金一両は4,000文です。
25円✖️4,000文=100,000円
お蕎麦をもとに考えると、金一両は100,000円となります。
お米
同様にお米は2025年2月現在、5kgで約4,000円(高っ!😳)
米一石は約150kgで値段が金一両だったとすると。
150kg➗5kg✖️4,000円=120,000円
お米をもとに考えると、金一両は120,000円となります。
大工さんの日当
大工さんの日当は銀三匁という記録があります。
一両は銀60匁ですから、一両で大工さんが20人雇えたことになります。
2025年現在、大工さんの日当はその経験などから差がありますが、ざっくり平均して仮に15,000円とすると。
15,000円✖️20人=300,000円
大工さんの日当をもとに考えると、一両は300,000円となります。
つまり
同じ一両でも比べる内容でこんなに価値が変わってしまうんですね!😣
でもそれじゃあ、小説を読む上で不便なので。
ここは計算しやすいお蕎麦をもとにした換算法を採用しましょう!
金一両 = 100,000円
一分 = 25,000円
一朱 = 6,250円
一文 = 25円
これをもとに考えると、治兵衛さんのカステラは36文=900円。
お菓子1個の値段としては確かに高い!
咲さんが作った金木犀の財布は二分=50,000円。
松ぼっくりの一分のお財布と合わせると財布二つで75,000円。
縫箔師の咲さんが丹精込めた一点もののお財布、いいお値段です。
そしてもらったチップ一朱=6,250円、となります。太っ腹ですね!😆
ついでに銀貨について
銀貨は不揃いな形の丁銀や豆板銀があったようです。
そして重さを量って使っていたんですね。
銀一貫 = 千匁
金一両は銀六十匁なので、
銀一貫 = 16.6両
となります。うーん、わかりにくい。😓
銀一貫 = 1,660,000円
銀一匁 = 1,660円
まとめ
江戸のお金を現代の貨幣価値に換算するのは難しい!
でも、ざっくり金一両は100,000円とするとわかりやすい!
まあ、目安にはなる!といったところでしょうか。
江戸のお金についてざっくり頭に入れて小説を読めば、登場人物たちがどれくらいのお金を扱っているかわかって、より楽しめると思います!ぜひ、参考にしてくださいませ!
下記に江戸の通貨を円に換算してくれる便利なWebサイトへのリンクを貼っておきますね!

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